超SD戦国伝 武神輝羅鋼 その1
武神輝羅鋼と次作の刕覇大将軍はまとめて「超SD戦国伝」という枠でくくられていますが、前者はそれまでの「新SD戦国伝」シリーズの直接の続編で前作のキャラも再登場しているのに対し後者は作中時間で100年以上後の話という設定で登場人物も完全にリセットされていて、両者のつながりはかなり薄いです。
「新SD戦国伝」から「超SD戦国伝」に仕切りなおした1作目ですが、物語上は超機動大将軍編の直接の続編。地上最強編から続く弓銃壱／新生大将軍の一族にまつわる物語の完結編に相当します。
Gガンダムがメインだった前作に続き、今作はガンダムWを元ネタにした武者が主に登場します。またシリーズ名にもなっている「輝羅鋼」と呼ばれる箔押し多色メッキが多用され、高価格帯のキットが従来より大幅に派手になっているのも特徴です。
また、地上最強編以来激減していた金型流用キットがいきなり4種も投入されており、この後も流用のないシリーズが3作続くのでちょっと浮いています。
■No.156 鉄機武者爆進丸 （2007.01.28.）
武神輝羅鋼編の最初のキットで、前シリーズ・超機動大将軍編の鋼丸の金型流用アイテム。何故か主人公の天零より先に発売されているうえに、鋼丸にあった同シリーズの武者との連動ギミックもそのまま搭載している一方で輝羅鋼編アイテムとの連動は特にないという色々と不可解なキットです。何かボンボンの漫画との連動とかがあったらしいですが。
なお、設定上は鋼丸より先に造られていたプロトタイプで、パワーはあるけど制御に問題があって完成が遅れたということになっています。で、カラーリングはSD形態の脚だけ青いのが浮いている気がしたので、配色を変えて青をあちこちに散らしてみました。
軽装＋目牙戦車（メガタンク、サポートメカ）。軽装といっても兜は脱げませんが。頭部は固定で、腕には変形のために関節がたくさん入っていますがSD形態では肩と腕の装甲が干渉してほとんど動きません。
SD武者形態。鋼丸はZⅡモチーフでしたが、爆進丸は顔とかはZZっぽいけど鋼丸のパーツ流用もあるので結局何だかよくわからない感じです。
大目牙戦車（オメガタンク、ビークルモード）。鋼丸にはなかったキャタピラが追加されていますが、実際このフォルムなら飛行メカよりは戦車の方がそれっぽいかも。なお、主砲（大目牙閃光銃）の左右につく青い板はインストだと特に取り付ける指定はなく、どの形態でも基本的には不要です。
上面には號斗丸を乗せられますが、手元に無いので代わりに初代武者を乗せてみました。あと主砲左右のガトリング砲は砲口部分が完全に平面になっていて砲口の位置に黒い丸のついたシールを貼る仕様ですが、写真ではピンバイスで穴を彫ってあります。なお、このガトリングは手首の位置に入っていて、他の形態でも展開可能です。
金剛爆進形態。これも含めてどの形態も、例によってパーツを一旦分解して組み直す方式です。プロポーションはけっこう良好で、同じ値段で後発の豪剣頑駄無よりこっちの方が出来がいいような・・・。
ただ、左右に大きく開脚しても足裏が接地するのはいいのですが、この形態でもあちこち干渉してヒジ関節はほとんど動きませんし、ヒザは曲がるけど股関節は前後にあまり動かないしで可動は最低限です。ついでに左肩につくSD形態の頭が妙に外れやすい・・・。あと、全身をバラして超機動大将軍編の闘覇五人衆の強化パーツにできるギミックについては、そもそも対応キットを持っていないので写真はありません。
（※追記：これを書いた後で真紅主を組みましたが、その後爆進丸のパーツを一部破損してしまったため結局写真は撮れていません）可動範囲に難があるうえに、特にリアル形態では外れやすいパーツも多くてガシガシ遊ぶには今ひとつですが、スタイリングは良好で値段の割にボリュームもあるので全体としては割と満足な出来でした。
■No.157 雷龍頑駄無 (2008.05.25.)
キットは爆進丸に続く武神輝羅鋼シリーズ第2弾で天零より先行、爆進丸は流用キットかつコミックワールドも番外編だったので実質的にシリーズ第1弾の人。主人公チームの一角ですが、輝羅鋼編の武神像パーツ持ち5人組には武者七人衆とか闘覇五人衆みたいなチーム名が無いのは何故なのでしょうか。
地上最強編および伝説編に登場した白龍大帝の嫡男。影舞乱夢の龍帝への即位の挨拶のために天宮に来ていますが、輝羅鋼編に登場する他の国主継承者と比べると1人だけ見た目が地味です。
成形色は白、メタリックグリーンとメッキで、他にジュエルシールが付属。
軽装。獣破と同様に変形の都合で上腕に関節が追加されています。上腕の関節はポリではなくプラ接続。
武者形態。兜の中央にジュエルシールが付きます。肩と背中に3つの龍の頭が付きますが、既出の影舞乱夢出身キャラと違って胸には顔がありません。
武器は戟が付属。上腕の関節のおかげで構えやすいです。
神龍雷激波形態。バックパックを足の裏に装着するのがちょっと独特です。
■No.158 天零頑駄無 (2007.10.14.)
武神輝羅鋼編主人公。当初は記憶喪失で、説明書にはやはり素性が不明で光とともに出現した荒烈駆主との関連性を匂わせるような記述があったり、前作主人公・號斗丸との同一人物説についても言及があったりでその正体が物語の鍵であるように扱われていたものの、最終的には「前作主人公・號斗丸の弟子で、敵に殺害されたが號斗丸がその身を犠牲に融合することで復活していた」という事実が明かされたものの天零本人は「號斗丸の弟子」という以外には特に変わった背景は持っておらず、さらに記憶喪失のため仮につけていた名前が偶然本名と同じだったという投げっ放し主人公でした。しかもパワーアップ形態・獅龍凰はデザイン的に天零より號斗丸の要素が強かったり。というか獅龍凰のキットの中の人は號斗丸だし。
そして○伝2でも記憶喪失状態で再登場するも、特に記憶が重要な要素だったりはしなかったうえに同作に登場した天零のパーツを流用した武者・號號将頑駄無とも別に関係は無いというさらなる投げっ放しを食らうのでした。
キットは主人公初期形態としては飛駆鳥と並ぶ最高価格帯の税別1000円で、いろプラに加えて結晶輝羅鋼（くりすたるきらはがね）パーツを採用。
↑輝羅鋼はこんな感じで封入されています。クリアグリーンのプラに多色印刷の金属箔を圧着したような感じで、裏面はグリーン単色。
あと、これを含めて5種のキットのパーツを揃えると「武神像」が完成するというギミックがあり、天零には武神像の顔と胴体に相当するパーツが付属。
なお、○伝2当時に発売されたセット箱に成形色をパールやクリアーに変えたものが同梱されています。
軽装。変形・合体ギミックのために爪先が独立可動します。胴体は前側が胸・腰を別パーツ化されていますが、背面は1パーツで腰の可動は無し。
伝説の大将軍編から超機動編までは軽装の頭に毛が生えていましたが、この天零も含めてそれらの直接の続編にあたる輝羅鋼編では唐突に全員スキンヘッドに戻っています（獅龍凰の中身の新號斗丸のみ例外）。
武者形態。後述の強化形態各種を含めて鎧は派手ですが、手持ち武器はシンプルな刀のみ。後のシリーズで一般化する1パーツ構成で穴の開いた鞘が採用されています。
戦闘形態。赤を基調とした鎧が青くなるのがデザイン上のポイントみたいです。肩鎧と頭の触覚みたいなパーツは背面側から差し替えなしで展開、胸鎧は背面から差し替えで装着。
この形態では刀を腰から外すように説明書には指示されていますが、つけたままでも特に問題はありません。あと肩装甲を定位置にすると腕が固定されますが、装甲を少しずらせば腕は一応動きます。
鬼刃閃空斬形態。要するにウイングゼロにおけるネオバードモードですが、肩についた刃で敵を斬るための形態と設定されています。大筋では寝そべってパーツを差し替えただけ。
輝羅鋼の神器。武神像を組んだときに見映えが悪くなるのを避けるためか、武神像の顔がつく部分には交換用にクリスタルっぽいパーツ（ただし成形色は白）も付属します。あと説明書どおりに組むとその顔か交換用パーツのいずれか、および武神像の胴体のパーツが余るのですが、これはまとめて神器の裏側に取り付けることが可能です。
神器装備形態。鎧が青からさらに銀色に変化。なお、この写真ではツノの部分のパーツを上記の交換用パーツと差し替えています。
神器を分解して脚、肩、胸、兜にパーツを追加、余った胸装甲とツノは背面側に装着して、あと武神像の胴体と神器の芯になる台座パーツも背中につけています。
この形態で腰に刀をつけると左肩の装甲と干渉してきっちり収まらなくなります。あと腕が固定されるうえに手の武器穴も装甲でふさがれてしまうし、脚も爪先の向きを若干変えられるくらいで、首以外はほとんど動かないので棒立ちしか不可能。
あと、天鎧王の剣と超機動大将軍の翼を装着可能という連動ギミックがあります。剣は手に持たせるだけですが、翼は専用のジョイントパーツが付属。
■No.159 獣破頑駄無 (2007.12.16.)
武零斗忍軍所属という設定の忍者キャラ。ヘビーアームズですが忍者。
虎に変身する能力のせいで「虎の御仁」呼ばわりされたり鎧に書かれた文字から思いつきで「天零」という名前を考えたら実は大当たりだったりした人でもあります。
2007年10月の再販では地上最強編から刕覇編までのキャラが割と均等にラインナップされましたが、輝羅鋼編に関しては敵陣営の闇元帥とコミックワールドでは外伝的エピソードのみ登場の大旋鬼・撃流破が抜擢され、主人公サイドの本編登場キャラは彼のみとなっています。
キットは2色＋メッキでポリパーツは1枚という標準構成。他にホログラムシールが付属しますが例によって使っていません。
武神像パーツが付属し、この人の担当分は腰および太股。
軽装。成形色は全身真っ白です。変形の都合もあって上腕に可動箇所がありますが、ポリではなくプラ接続。
白虎丸形態。ほぼ全身変形しています。しっぽ以外は差し替えなし。
なお、黒い虎縞はシールも付属しないので塗装するかあきらめるかの二択になります。
闘刃の鎧。というか何この物体。名前が被っている魂武者闘刃丸とは特に関係ないようです。
武者形態。メッキパーツが金ではなくオレンジで、他の部分でも金色は使用されていないというちょっと変わった配色になっています。
あと本来は背面に武神像のパーツが付きますが、写真では省略しています。
武器は虎のしっぽを兼ねた刃物（武者形態では兜のトサカに収納）と刀（腰の後ろに装着可能）、あとガトリングガン的な形状の手裏剣発射装置と盾が付属。ガトリングガンは腕に装着可能で、盾はそのガトリングガンと合体可能です。
あと箱の写真や説明書の設定では無視されていますが専用のマスクが付属するので、上の写真ではこれも装備しています。
「疾風闘刃の術」形態。本来は肩の丸はホログラムシールです。
■No.160 砕牙頑駄無 (2009.09.06.)
武神像パーツ持ち5人組の4番手。百鬼夜行衆に師匠の息子を人質にされ、百鬼夜行衆の砕虎導牙として活動していましたが、刀流義守が気を利かせて息子を救出してくれたので本編では速攻で変装を解いて味方になっています。
この師匠は説明書に「亡き師匠」と記載されていますが、その一方で番外編のみ登場でこれまたモノアイMSに変装可能な大旋鬼頑駄無の弟子という設定もあります。あと説明書では荒五郎→荒烈駆主等の例を出して師匠の息子（名前は不明）の再登場の可能性を示唆していましたが、次作で100年くらい時代が飛んだのでそんな展開は無かったのでした。
キットはクリアー2色を含むいろプラ仕様＋他のキットより少な目とはいえメッキパーツもあって、同時期のキットの中では色数が突出して多くなっています。武神像パーツは右腕が付属。
砕牙頑駄無・軽装。関節は頭と手足の付け根のみでシンプルです。
砕虎導牙。顔から胴体まで一体化した左右2パーツ構成のガワで体の正面を覆う構造なので、首は回りません。あと胸の左右に生えているツノっぽいパーツは基部が胴体と腕の間に挟み込まれる構造ですが、こちらは可動にはあまり干渉しません。
武器は鎌のみ付属。刃の基部に曲げ軸があって、砕牙と砕虎導牙では刃の向きが変わります。
砕牙頑駄無・武者形態。羽根は砕虎導牙のガワなので後ろから見ると導牙の顔が真っ二つです。
兜と肩が干渉するのでやっぱり首の可動は制限されます。
回転大切乱舞形態。兜から刃を展開、肩装甲を開いています。
説明書記載の連動ギミックとして、鎌に天零の肩の刃を付けて二枚刃にできます。
で、武神像パーツが揃ったので合体。背中の羽根っぽいパーツは付け忘れました。可動は腕の付け根が回るのみ。
■No.161 百烈将頑駄無 (2007.11.03.)
百士貴の子孫であり将頑駄無の称号を与えられた軍師という重要そうな肩書きを持ちながらも、武神像パーツが付属する5人の中では唯一ガンダムWとは関係ないモチーフのデザインでキットも金型流用（流用元は百士鬼改）という妙な立ち位置のキャラ。キット化されたキャラとしては3人目の将頑駄無。説明書によると酒は好きだけど生ものは嫌いらしいよ。
ガンダムWのメイン5機モチーフキャラでは唯一サンドロック由来の轟炎王だけ武神像パーツが付属せず別枠扱いなのですが、当時は消去法で「全然似ていないけど百烈将がサンドロックなのだろう」と判断した人もいたとか。
百烈将自身のモチーフはプロトZガンダムだとされていて、鎧のデザインはほぼ無関係ですが中身の腕や脚は割とプロトZそのまま。でも初期SD世代だとプロトZといえばリックディアス顔だよなあ、とか。
（※プロトZガンダムの頭部には百式型、ディアス型、ネモ型の3種のバリエーションがありますが、無彩色ガシャポンではディアス顔のみ商品化されています。なお、Gジェネに登場するのは百式顔）
輝羅鋼編が初登場ですが、設定上はもっと前から将頑駄無になっていたらしいです。とりあえず超機動の時点では既に現役で、魔星は百烈将の不在を狙って行動を起こしたとか。けっこう高齢らしくて世代的にも周囲から浮いているような。
キットはメッキとポリを除いてランナー3枚のうち1枚が百士鬼改の流用で（大砲ほぼ丸ごとと軽装頭部の前半分、百士鬼改のツノ）ライトグレー成形、残り2枚は新規の青いパーツです。本体は鎧を含めてほぼ全身新規という構成で、いっそ完全新規にすればよかったのではないかと思わないでもない。
で、成形色が前提っぽい配色が個人的に好みではなかったので、プロトZの配色を参考に塗装してみたら別人というか武者なのかも怪しくなってきたのですが。
軽装。顔は百士鬼改そのままですが後頭部は新規パーツで、未塗装だと頭の前後で色が違います。あと兜の接続部も後頭部側のみ変更されているので、百士鬼改も含めて風林火山編のキットの兜とは互換性がありません。
大砲以外に付属する手持ち武器は飛燕の弓と邪滅の矢のみ。射撃の名手たる百烈将は接近されても刃物に頼るような軟弱な真似はせずに飛び道具だけで何とかするのです。たぶん。
弓は百烈が元から持っていたみたいですが、矢は武神像から出現。矢のみ二代目将と武神が持っていたものと同じ名前ですが関係は不明。
身長に対し弓が上下に長すぎるので構えにくいです。武者形態でも一応持てないことはないですが、鎧が干渉するので構えるのはいよいよ厳しいです。なお、この弓矢の青だけ成形色そのままです。パッケージの見本写真より深めの色味。
武者形態。既にプロトZも百式もあまり関係ないデザインになっているような。というかツノの長さと肩鎧の左右幅がえらいことに。
兜の顔面のマスク部は別パーツ化されていて、説明書では特に説明されていませんが開閉も可能になっています。組み立て後の着脱も割と簡単。
新破守駄砲（ネオバスターキャノン）。大砲の組み替えは複数パターンありますが、この形態のみ後述のチューブを接続しません。手でグリップを保持する形式なので、体格が同じなら他の武者でも装備可能。
ちなみに百士鬼改のキットにあった弾丸発射ギミックは削除されています。
気力伝導管装着形態。赤いチューブを背中の大砲・新対頭破主駄（ネオツインバスター、新破守駄砲を2つにバラした状態）に接続すると百烈将の気力が伝導されて云々、とかそういう設定。重心が後ろに偏っていて安定性はよくないです。
あと新対頭破主駄には武神像パーツ（両脚のヒザ下）がつくのが正解ですが、ガンダムの脚をそのままくくりつけたみたいで正直どうかと思ったので写真では外しています。
新対頭破主駄装着形態。連結に弓を使う構造です。
翔爆炎撃発射形態。大砲は一旦チューブを外して組み直す必要がありますが、本体はツノを閉じて寝そべっただけ。でも機首があるせいか、この手のかんたん変形としては比較的それっぽく見えるような。
