SD戦国伝 天下統一編 その1

 物語は風林火山編ラストから直接つながる構成とし、七人衆編より時代を遡ることで三世代に渡る三部作の完結編となっています。キャラ名に元ネタになったモビルスーツの名前を直接使わないネーミングが多用されるようになったのもこのシリーズからです。元ネタが不明瞭だったり子孫と重複していたりする連中が多いせいでもありますが。
 キットの仕様としては円筒型3個+ボールジョイント2個の新規ポリパーツが採用され、また新荒烈駆主等の流用キットを除くと全体に骨格が一回り大きくなっています。また、2枚のランナーを重ね合わせることで複数のパーツを一度に組める「ランナーロック」が天下統一編後半から導入されていますが・・・これってむしろ組み立てにくくないか、とか当時の私は思ったものですが。
 あと主要キャラの新荒烈駆主や初代大将軍、黒魔神といったところに容赦なく既存キットのパーツ追加アイテムを投入する子供には厳しい展開でもありました。

 

■No.76 雷頑駄無 (2007.09.29.)
 鳳凰頑駄無の弟で、雷帝の神器を使う頑駄無三武将の一人。後に将頑駄無として頑駄無軍団を再編する人物でもあります。
 鳳凰、荒烈駆主と共に過去編の中心人物・・・かと思いきや見事に空気ですが、500円キットの漫画が1ページしか無かった時代の脇キャラはおおむねそんな扱いです。

 軽装。副将軍等と同じ、普通の武者と大将軍の中間くらいの体格です。

 武者形態。名前が雷のくせに兜が火属性を主張しているような気がしますが、たぶん気のせいです。

 雷帝の神器装備。神器に内蔵される刀の他に銃が付属します。ちなみに名前は電流魂と書いて「デルタ」。

 刀は鳳凰と違って1パーツ形成で紋章がつく部分の裏側には穴が開いていて、紋章そのものもモールドは省略でシールのみ付属と鳳凰より若干手抜き仕様。
 価格据え置きで大型化された影響かサポートメカ等のギミックはないし、神器は3つとも構造がほとんど同じうえに3個揃えても特に連動ギミックはないし、可動も普通なのでプレイバリューが低いのは否めない気もします。格好いいからいいけど。

 サイズ比較。この3人(うち2人は装備違い)が頑駄無三武将なわけですが、同時期のアイテムでこれだけ体格がバラバラなのも珍しいような。

 

■No.77 武神頑駄無 (2007.10.20.)
 異国から来た旅の戦士で、後に精太の父親になる人物。他のキャラと違って瞳が赤いのですが、後に出身国が影舞乱夢と設定され、赤眼も影舞乱夢出身者の特徴として白龍等に継承されています。
 コミックワールドでは初登場回(雷頑駄無に付属の分)の最後のコマで鳳凰たちの危機に突如として現れた謎の武者、として登場したものの、その次の回(武神に付属)では既に顔合わせを済ませたことになっていて仲間扱いで以降は空気という雑な扱いで、デザインが格好良かっただけに当時かなりがっかりした記憶があります。
 所持品の厳戒の弓・邪滅の矢は初代大将軍のパワーアップのキーアイテムで一応は重要人物なのですが、四獣王関連エピソードでは初代に同行しなかったせいでさらに空気度がアップする有様。キット化されていない百ノ進の方が予言書を読む役割があるのでまだ存在感がある始末です。
 なお、荒烈駆主の専用強化パーツが「武神の鎧」で四代目大将軍の武器にも名前に「武神」と付いているものが複数ありますが、武神頑駄無とは設定上は全く関係がないようです。

 キットはメッキに加えいろプラ仕様と天下統一編ではかなりカラフルな部類ですが、金色のパーツが大量にパールでもないオレンジイエローで成形されていて塗装は割と手間です。あと緑色はダンバインカラーのトッド&トカマク機セットに成形色とほぼ同じ色が入っています。ってダンバインかよ。

 軽装。二代目将や疾風剣豪と違って靴の形状はあまりゼータっぽくないです。

 阿修羅の神器。専用武器とバックパック、肩鎧を組み合わせたものですが、弓矢と兜は余ります。その名の通りに鬼面が3つありますが、青龍刀をつけると正面の顔は隠れてしまいます。

 フル装備。背中にメッキパーツが配置されているのが特徴。

 武器は青龍刀(設定上の名称は「赤龍刀」)、戟、ボウガンっぽい銃、盾と弓矢。青龍刀と戟は背面に装着できます。盾は腕に固定するのではなく、接続用アームを介して手に持つようになっています。そして青龍刀そのものが仕込み刀になっているという変態ギミックがあります。説明書によると青龍刀の一撃を防がれた場合に中身を使うらしいですが。
 あと、槍と弓はグリップがちょっと太いので、特に塗装する場合は軽く削っておいた方がいいかと。

 弓矢を二代目将のものと比較。デザイン変更以外に矢は、二代目将のものが細くて折れやすかったせいか武神のものは太くなっています。

 

■No.79 初代頑駄無大将軍 (2007.09.23.)
 鳳凰頑駄無の強化形態。風林火山編までの「正史」では闇軍団に敗北し戦死していますが、荒烈駆主が過去に飛ばされたために天・雷に加え地の神器の力が揃いさらなるパワーアップを果たして黒魔神に勝ったことになり、でも未来から闇皇帝が転移して黒魔神と合体して歴史改変をしたためにまた死んだことになり、さらに荒烈駆主も歴史改変を行ったので最終的には生存したことになったという実にややこしい運命をたどった人物でもあります。
 デザインはたしか天下統一編より前(たぶん三代目の発表より先)にボンボンに載ったイラストに準拠していたはずです(※うろ覚え)。アゴが割れていたりジオンっぽいケーブルがついていたり割と異質なデザインでしたが、後から出た三代目と四代目が揃って羽根+連装大砲付きだったから余計に浮いて見えるような気も。

 キットは鳳凰丸ごとに大将軍の鎧を追加した構成で、余剰になる天帝の神器も丸ごと付属。手持ち武器は全て鳳凰の使い回しで変形やサポートメカ等のギミックも皆無という歴代でもかなり貧乏臭い仕様になっています。というか定価が同じ三代目と比べるとどうにも物足りない内容。設定上は四獣王の力でさらにパワーアップしていますが、その姿は豪華初代大将軍としてキット化されており、こっちのサイズでは四獣王のキットを揃えても完全には再現不可能。
 なお、当初は鳳凰の白いパーツがパールホワイトに変更されて差別化されていたのですが(新規パーツの大将軍用装備もパール成形)、HJ別冊によると後に鳳凰も再販分がパール成形に仕様変更されたそうです。私は再販鳳凰は買っていないので未確認ですが。

 軽装+天帝の神器。大将軍用の鎧には専用の台座が付属しますが、それに鳳凰の装備をつけることも可能です。

 鳳凰頑駄無。パーツは削除も流用もされていないので、単品売りの鳳凰と全く同じ仕様で組めます。設定上は武器の色だけ違いますが。
 武器は刀と銃が付属。前述のように追加武器はないのでこれを大将軍でも使い回します。

 光の鎧。マスクは別パーツ化されていますが、これも台座に装着可能。

 で、大将軍形態。箱絵だと背中の光輪に緑色の宝玉みたいなのが付いていますが、このキットでは穴が開いているだけです(豪華版のキットはイラスト通りの仕様)。
 胸鎧とマスクのアゴが干渉するので首が動かしにくい、というか正面を向いた状態でも干渉しています。
 光輪の穴は武器の軸と径が同じなので、武器を装着可能。銃はともかく刀を付けると見た目がかなり変ですが。
 あと刀の柄の紋章は鳳凰と初代で違うのですが、キットではパーツには鳳凰の紋章が彫刻されていて、その上から大将軍仕様のシールを貼るようになっています。

 

■No.80 獅頑駄無 (2007.10.21.)
 頑駄無四獣王の一人で、鎧が変形する守護獣は白獅。初代七人衆の駄舞留精太の父親。指定された場所にたどり着くと四獣王のひとりが武器をくれて次の場所を指定する、というパターンを4回繰り返す四獣王お使いイベントのトップバッターを担当し、千尋の谷で延々と崖を登った初代大将軍に頂上で瞬発の銃を授けています。この崖登りが試練だったようですが、まともな試練を与えたのは結局彼だけだったという。
 ちなみにこのお使いイベントの全行程で雷頑駄無が初代に付き添っていますが、いるだけで特に何もしていません。
 四獣王が初代に与えた武器のうち他の3人のものはデザインが若干変更されたものが初代大将軍・パワーアップ版の装備武器になり、豪華初代のキットにも付属しているのですが、何故か獅の瞬発の銃だけは銃から盾に変化して見た目がほぼ別物になっています。

 四獣王全員のキットに共通する仕様として、兜・鎧が変形して守護獣になるギミックを搭載、またメッキパーツが無い代わりにそれぞれ特殊素材が採用されています。獅には植毛の毛シールが付属。なお、いずれも変形ギミックのせいで兜とバックパックが一体化しているため、フル装備状態では首がほとんど回らないという欠点があります。あとランナーロックはこの辺りから導入。
 七人衆や五人衆、四天王といった関連キャラが一度にまとめて再販されることは稀ですが、四獣王と超将軍だけは2007年にフルメンバーでそれぞれ同時に再販されています。
 天下統一編はいろプラ使用率が低めですが、獅はメッキ省略に加え成形色も白・赤の2色だけで500円キットではトップクラスに色数が少なくなっています。

 他の3人が割と独特なカラーリングの割にこの人だけ素直なガンダム色だったのが気になったので、とりあえず「白獅」だし、ということでアレンジして鎧の白い部分を増やしつつトリコロールから外すようにアレンジしてみましたが、何か中途半端になったような。


 軽装。この時期の武者は肩鎧の互換性を確保するためか、大柄になった割に腕が前後に薄いのが特徴ですが、獅は肩鎧の接続方法が異なるためか軽装の肩もかなりボリュームがあります。
 パッケージの写真でも見えにくいですが、側頭部のモールドは赤く塗るのが正解みたい。

 白獅。設定通りの配色だと脚が赤くて頭の側面に青が入ります。この角度からは見えませんが尻尾もあって、4種の中では一番まともな動物っぽいフォルムです。
 脚の付け根とヒザ(というか途中の関節)、あと前脚は足首も軸可動になっていて意外と動きますが、全部プラ軸なのでヘタりやすいです。
 あと毛シールは抜け毛は今のところほとんどありませんが、粘着力に若干不安が無いでもないです。

 武者形態。やけにふさふさしたデザインは歌舞伎のイメージなのかも。「頭にハイメガのついた武者は在庫になる」という伝統の基礎になった在庫さまだけにどれだけブサイクなのかと思っていたら、組んでみると意外と格好よくて拍子抜けしました←おい。箱絵だと太っている印象があるのでそれが影響したのかも。

 武器は瞬発の銃と刀が付属。初代に渡すアイテム以外には地味な刀が1つだけと、四獣王の中でも武装面は比較的地味です。瞬発の銃そのものも小さめですし。あと刀の鞘は腰には装着できません。

 戦闘形態・獅王の陣。動物メカとガンダムの合体、というコンセプトとしては歴代でもけっこうまとまりのいいデザインだと思います。

 

■No.83 龍頑駄無 (2007.10.21.)
 頑駄無四獣王の一人で、鎧が変形する守護獣は紅龍。初代七人衆の仁宇の父親。龍鳴寺に来た初代大将軍を待ち伏せしていた闇軍団を何故か老人に変装して出迎えて不意打ちし、自分で倒して神秘の槍も只でくれました。四獣王の考えていることはよくわかりません。

 四獣王共通要素の特殊素材としてはガラス玉を採用。これは後のシリーズでも割と頻繁に使用されています。成形色は白・赤・緑。ちなみにこの緑色はガンダムカラーだとHG-UCジ・O用のものがほぼ同じ色です。

 軽装。胸のダクトはメッキではありませんが別パーツ化されていて、塗装がちょっと楽。

 紅龍。守護獣でも際立って頭が大きいというか胴体が小さいというか。

 武者形態。武器は神秘の槍と刀、銃。

 銃の配色は箱の写真でも前半しか見えませんが、妙に派手です。

 戦闘形態・龍王の陣。
 神秘の槍は穂先が展開するギミックがありますが、閉じた状態でも隙間が目立ちます。あと背面へ接続するための横棒がかなり下の方についているので、柄はかなり浅くしか握れません。

 

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