戦国英雄(せんごくヒーロー)

 500円が主流になったBB戦士に対し300円の低価格路線を担当していた「ちーびー戦士」終了後の新ライン。ただし都合2種類で打ち切りですが。
 武神輝羅鋼編と同時期に展開されていますが、キット付属の漫画によるとSD戦国伝第1部の100年後とされていて(ムシャガンダムシンは100年前にワープして初代武者と闇皇帝の対決に出くわしている)、他のシリーズ作品との関連は不明。初期三部作と地上最強編の間の年月経過は具体的には不明ですが登場人物は完全に入れ替わっており、輝羅鋼編では地上最強編のキャラの孫世代が登場していることから、「100年」を厳密に解釈するなら現行シリーズより前の世代と言うことになりますが、まあその辺はいいか。
 キット付属の漫画は単発ギャグで、連携したボンボンの漫画は戦国伝シリーズではなく「プラモウォーズ」なので、戦国英雄そのものにはストーリー性はほぼ皆無です。

 キットは税別300円で成形色はメッキを含む3色+シール付属、ただしちーびー戦士でも使用されていたポリパーツは廃止されています。兜は固定で軽装にはなれず、サポートメカ等も付属しませんがビークルモードへの変形が可能です。また腕・脚は各1パーツ構成で、この時期のBB戦士ではまだ珍しい肉抜き穴が派手に開いています。
 2種のキットはいずれも3人兄弟の1人を選んで作れるコンパチ仕様ですが、3人の誰を選んでも余剰パーツが発生しないというか、素体は全く同じでツノや肩鎧の取り付け位置や向きが違うだけです。ただし全員眼の色が違ってシールは3種付属。
 あと足裏に同じ径の穴が開いているのですが、変形等のギミックには使わないので用途は不明。

 関節基部の構造は天星七人衆編からの新型ポリパーツとよく似ていて(ただしプラ製で腰関節はなし)、カラーリングも成形色での色分けから逆算して設定されているような雰囲気で、デザイン・設計は天星七人衆編のプロトタイプともいえる構成になっています。

 再販はほとんどされず実質絶版というか、プラモデルが出た武者としては例外的にいわゆる黒歴史扱いになっているっぽいです。ただしSD関連の絶版アイテムとしてはかなり希少価値は低いようで、古い玩具店を探すなりオークションを当たるなりすれば、状態を気にしなければ定価以下でもけっこう入手可能。


■No.1 ムシャガンダムシン(武者頑駄無真) (07.03.25.)
 シン、ガイ共にパッケージの商品名ロゴのバックに漢字表記が記載されていますが、商品名になっていない残り2人の名前はカナ表記のみです。

 まず三男、ハヤテのシン。手持ち武器は刀のみ。1パーツ構成の鞘が付属して、ちゃんと腰に装着できます。
 シンは後頭部と羽根の基部が干渉して首がほとんど動きません。

 次男、早撃ちのダン。本来は眼がピンク色です。刀は腰の右側、羽根が肩につきますが本来の肩装甲は背中に装着されます。

 長男、音速のコウ。本来は眼が緑色です。この人は刀を装備しないので余剰パーツになります。

 「かっとびジェット」形態。脚と羽根は一旦取り外す組み替え変形ですが、機首に相当するビーム砲は後頭部から差し替えなしで展開し、変形後のフォルムもけっこう変わるので武者プラモとしては割とまともな変形です。なお、刀のみ余剰パーツになります。
 機首側面は両方とも肉抜きでスカスカですが、付属の漫画で本来の形状が確認できるので時間と気合がある方はパテで何とかしてみてください。

 サイズ比較。初代武者とほぼ同じ大きさですが、値段も同じだし当然といえば当然ですが。

 

■No.2 ムシャガンダムガイ(武者頑駄無鎧) (07.03.25.)

 長男、突撃のガイ。 やけくそ気味なドリルっぷりです。腕や肩鎧の裏はスカスカですが、頭と肩の大きい方のドリルは肉抜き穴なしで成形されているあたりに妙なこだわりを感じます。
 手持ち武器は槍のみ。よく見ると前立てに頑駄無結晶によく似た鳳凰の意匠が入っているのですが、大将軍と何か関係あるのか。
 ガイは頭のドリルが肩のドリルに引っかかるので首が全く動きません。シンといい、このシリーズの仕様なのか。

 次男、高速のゴウ。本来は眼がピンク色です。頭のドリル基部は挟み込み構造で可動なので、ガイからは差し替えなしでこの状態になれます。というかドリルの向き以外ほぼ同じ。

 三男、鉄壁のギン。本来は眼が緑色です。

 「つっこみドリル」形態。パーツの差し替えは不要な完全変形・・・というか、頭のドリルの向きを縦にして寝そべっただけです。こっちも槍は余剰パーツに。

 あと戦国英雄のアイテムには胴体中央に謎の穴がありますが、これは背中にも開いていて、股間にしまってある棒状のジョイントパーツでこの穴を連結することで縦列合体が可能という脅威のギミックがあります。

 ・・・って、実際縦に並んだだけなのでこのギミックで何をどうしろと言うのでしょうか。足裏にも用途の無い穴があるので、シリーズが継続していたらパーツを追加してパワーアップしていたのかも。

 あとついでに、赤い空メカと青い陸メカといえばキョーダインだべ、ということで上下に重ねてみました。

 

■追記(2007.08.04.)
 上記の「足裏の用途不明な穴」について、発売当時のボンボンでこの穴を使ってシンとガイを合体させている記事があった、というメールを頂いたので、詳細は不明ですがてきとうに合体させてみました。

 ↑足2個連結+肩・背面装備2人分でパワーアップ形態風味。最近の脚の長い武者に慣れていると、このバランスもアリのような気もします。

 ↑で、パーツを余らせるのも勿体無いのでさらに胴体と腕も2個分使ってみましたが・・・えーと、何これ。
 なお、股間の軸と首の軸を上述の前後合体用ジョイントで接続すると、無改造でこのように胴体を上下につなぐことが可能です。

 軸径は統一されているので、後のSDフルカラーカスタム的な「好き勝手に組み替えや連結が可能」という仕様を意図していたのかも。

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