BB戦士三国伝 風雲豪傑編 その2 

■No.304 曹操ガンダム (2007.10.13.)
 三国志における魏に相当する「機駕」を率いる武将で、ストーリー開始時点では官軍所属。
 元ネタの曹操は演義での解釈を抜きにすれば三国志の主人公格で、武将・政治家として有能なうえに人を使うのも上手く、さらに優れた文筆家・詩人でもあったという完璧超人みたいな人だったようです。具体的な業績に関してはWikipediaでも参照していただくとして(←おい)、要約すると実力主義で宦官の家系から最大勢力に成り上がった三国時代の覇王だけど意外と大きい失敗も多かった、という感じで。
 そして関羽にベタ惚れですが結局振られました。
 他の武将と違って外見的長所に関する描写がないので、特に背が高かったり美形だったりはしなかったのではないかとされています。
 あと演義では要するに悪役です。さらに横山版では人生最大の転機ともいえる官渡の戦いを省略されるという仕打ちを受けています。ハハ、こやつめ。

 三国伝では実力主義者だけど高潔な武人という設定で、さらにキットの漫画では劉備や張さんはおろか司馬懿ですら多少はギャグっぽい描写があったのにシリアス一辺倒で呂布と正面から対決するという男前っぷりです。演義では一対の「倚天の剣」・「青スの剣」を使っていたとされていますが、双剣だと劉備と被るせいか武器は大剣1つに。

 キットは桃園チームと異なり眼およびアゴが顔面とは別パーツ化されていたりシリーズ初のクリアパーツを採用していたりと価格帯を上げずにバージョンアップが図られていますが、その一方で司馬懿に続いて胸・腰の鎧の着脱は不可能となっています。腕装甲は外れるので仕様としては桃園チームと司馬懿の中間っぽい。
 成形色は白が純白より若干暗いけどヘイズルやデュエルよりは明るいという割と珍しい色で、手持ちのガンダムカラーに該当する色が無かったので私は原色の白を塗りました。あと赤はシャアザク(MGのVer.1)の胴体とほぼ同じあずき色です(※HG-UC版シャアザクは茶色に近い全然違う色)。

 軽装。説明書には足の装甲も軽装では取り付けないように指示されています。例によって額には「曹」の文字っぽいものが。
 左手は例によって表情付きですが、劉備以外でははじめて左手にも武器穴が開いています。

 フル装備・通常形態。背面にはバックパックの代わりにマントが付きます。背面側の写真は左右2パーツ構成のマントのうち片方だけを付けた状態。
 兜の前立てはクリアパーツの他にも角の先が別パーツ化されています(成形色は白)。あと額のクリアパーツの内側には銀色のホイルシールを貼るように指示されています。写真のはメッキシルバーを塗っていますが。

 武器は炎骨刃のみ付属。1パーツ構成ですがそう極端に薄くはないです。成形色は白。

 マントを外して肩の前面に取り付けた防御形態。どことなく荒鬼頑駄無っぽい雰囲気があるような。

 マントを肩の後面に取り付けた攻撃形態。格好いいよ。
 なお、キットを複数購入すれば無改造で同時に3セットまでのマントを装備することも可能。

 他のキットと絡めてみました。なお、演義にも劉備と曹操が直接斬り合いをする場面はありません。

 

■No.305 孫権ガンダム (2007.11.17.)
 三国志の呉に相当する轟のリーダーで、轟所属キャラのキット化第1号。
 元ネタの孫権は父親の孫堅が劉備、曹操と一緒に反董卓の連合軍に参加しているくらいなので、この2人より1世代くらい年下です。で、当初は兄・孫策の死後に国を衰退させずに維持するだけの手腕と赤壁で曹操に屈しない果断さを備えていたようですが、軍師の周瑜が病死してからは関羽を裏切って領土を拡大したくらいで、天下統一とかはそもそも考えていなかったっぽいです。
 そして三国志関連作品は長くても孔明の死あたりで終わる場合が多いので孫権の晩年が語られることは稀ですが、どうも長生きした果てに後継者問題で老害っぷりを発揮したとかいう話がちらほら。
 使った武器等は伝えられていませんが、外見に関しては赤毛だったとか碧眼だったとかいう話があります。
 孫堅の死後に袁術配下での雌伏を経て孫家を独立勢力として立て直した兄の孫策が軍事面に優れ、弟の孫権は内政向き、というキャラ立てが最近は割と一般的。あと無双シリーズの一部や一騎当千等、親父や兄貴が死なないままストーリーが進行してしまう作品ではたいてい地味な脇役扱いというか下手すると登場すらしない場合もあります。
 ちなみに妹の孫尚香(正史での表記は「孫夫人」)は劉備と政略結婚し、劉備が益州(蜀の本拠地)を獲得した後に実家に戻っています。

 で、孫権ガンダムの方は尊大な面のないさわやかな貴公子というキャラ付けに。コミックワールド版では最初の対・呂布戦以来脇役扱いが続いている劉備を差し置いて意外な強キャラっぷりをアピールしています。
 なお、ボンボン版では虎牢城攻略の際は長沙軍を孫堅が指揮し孫権と孫尚香が随伴、孫策は留守番という配置でしたが、コミックワールド版では虎牢城戦の時点で轟関係者は孫権と周瑜のみ登場していて孫堅らの生死は不明。
 ところで孫家の面々は元ネタがGPシリーズで統一されていますが、孫権だけはステイメンやデンドロビウムではなく「ガンダム」表記なのに他の家族はゼフィランサス等のコードネームが公式にも使用されています。

 キットは曹操でも少しだけ採用されていたクリアパーツを大幅増量していて、また曹操と同様に胸・腰の装甲は着脱が廃止されています(胸には追加装甲がありますが、互換性はなし)。ただ、単に赤いパーツを使う部分が他に無かったせいか、曹操で導入されたアゴの別パーツ化はまた廃止されていて仕様が安定しません。
 あと、白いパーツの成形色は乳白色というか暖色系というかそういう色で、他のキットとは若干違います。

 軽装。額には「孫」の文字のようでも虎の顔のようでもある模様が、あと左側面に数字の「3」みたいな模様があります。原作では劉備や曹操より年下ですが、目が細くて面長でむしろ劉備より老け顔のような気も。
 関節構造等は既出アイテムと同じ。左手は指を開いたものが付属し、例によって手の甲には肉抜き穴があります。
 胸のダクト穴が妙に深くてまっすぐなので、これをジョイントに使う追加パーツの計画があるのかも(邪推)。
 形状はともかく配色は曹操よりこっちの方がダブルエックスっぽい・・・というかそれは胸を青く塗ったせいですか。

 防具フル装備。例によって配色は塗り分けを増やす方向でアレンジしていますが、孫権は設定そのままの配色でも他のガンダムより色分けが細かいような気が。
 背面にはバックパック、というか合体武器に使うジョイントが付きます。

付属武器は折り畳み式の牙王剣のみ。伸ばした状態の長さは曹操の剣とほぼ同じです。

 兜のバイザーを閉じると妙に悪そうな顔立ちに。

 「双虎破刃」形態。防具の一部を外して剣に装着。兜のアゴ部分も使いますが、胸装甲は残ります。
 で、顔の「3」のモールドがこの状態で一部露出することには写真を撮るときに気がつきました。やっぱり赤で塗ったのは失敗だったかも。

 三国リーダーの3人が揃ったので並べてみましたが・・・値段は同じなのに劉備だけちょっと貧相な気がして仕方ないです。主役なのに。

 

■No.306 呂布トールギス (2007.11.24.)
 董卓軍の武将。キットは呂布、赤兎馬、天玉鎧、玉璽のセット。
 元ネタの呂布は当初は丁原、次に董卓に仕えるも2人とも自分で斬ってその後は放浪を経て曹操から離反した陳宮とつるんで曹操の領地を奪ったり劉備の領地を奪ったりして、最後は曹操に負けて死んでいます。厳密には天下三分が成立して三国時代に入るよりも前に退場。
 とりあえず異様に強かったものの、判断力が無いのか主君に恵まれなかったのか割と持ち腐れ気味、という評価が一般的です。北方版ではものすごい補正がかかって3巻で退場するくせに人気者。
 演義では例によって三国時代には存在しなかった方天画戟を愛用していたとされています。また横山版や無双では頭に触覚(仮)が生えているのが特徴。

 三国伝の方でも劉備らが3人がかりで互角以下、雑兵数百人を一撃で吹き飛ばす曹操でも勝てないという鬼のような強さを誇っています。ボンボン版では色々と思うところもあったようですが、コミックワールド版ではあまり物事を考えていなさそうな気がしないでもない。
 あと名前は単にトールギスですが、各部のデザインから元ネタはOVA版のトールギスVのようです。
 なお、関連人物で三国伝(ボンボン版)では相方の貂蝉は正史に名前が出ておらず、実在なのか架空なのかはっきりしていません。あとコミックワールド版では配下武将にヴァイエイトとメリクリウスが登場したものの武将名無し&速攻で退場という雑魚扱いでしたが、ボンボン版では呂布配下の高順と陳宮が割り当てられています。原作の陳宮は武将というより軍師タイプの人でしたが。

 愛馬の赤兎は正史にも名前が出ていて、演義では呂布の死後に曹操経由で関羽の愛馬になったとされています。ちなみに曹操は絶影と爪黄飛電、劉備は的盧という馬に乗っていたとか。

 天玉鎧は虎牢城に保管されていた何だかよくわからない物体。蒼龍、炎鳳、弩虎、真武の4種の形態に変形し、それぞれ劉備、曹操、孫権、呂布と合体します(劉備と呂布は上に乗るだけですが)。元ネタは名前が四聖獣、デザインは劉備らの元ネタのMSと合体するサポートメカのようですが、真武形態のみデザインの元ネタが不明。
 元々伝説の三候が使った武具で真武は封印形態らしいですが、呂布の装甲に亀甲の意匠が入っていることからデザイン段階で彼が真武を使うことが想定されていたようなので、余った形態を同梱の呂布に割り振っただけではないみたい。

 で、キットは既存アイテムのリカラー版詰め合わせを除けばBB戦士では天星大将軍(No.191、99年発売)以来の税抜き定価2000円超えキットで、さらにガンダムタイプ以外では魔殺駆(1500円)の記録を更新する最高額キットでもあります。まあ、とにかく凄いんです。
 そういうわけで三国伝では初の500円オーバーかつメッキ採用キット。メッキは呂布の紫と天玉鎧+玉璽の金の2色で、さらにクリアパーツも使用しています。
 なお、ランナー上に3種のパーツが入り混じって配置されているので、呂布、馬、天玉鎧のどれかがバラで販売されることは今後も無いはず。

(1)呂布トールギス本体

 軽装+玉璽。例によって額には「呂」の字が。玉璽もスタンプになっていて(というか玉璽は元々そういうものですが)、裏面には「帝」の文字が刻印されています。
 他のキットと違い、手首は左右共に握り手と平手の2種類が付属します。あと顔のマスク部分はバイザーがクリアでガワがメッキという妙にゴージャスな仕様。
 足首は本体+金色部分が左右分割+関節の丸モールドも別パーツの片側5パーツ構成と凝ったつくりですが、相変わらず前腕とスネには肉抜き穴があります。
 で、眼は例によって塗装していますが、バイザーが付くとかなり見えにくいので素直にキット付属のホイルシールを使った方がよさそうです。あれなら反射でそれなりに見えそうですし。

 

 フル装備。頭、肩、胸、腰側面に鎧を追加。バックパックはありません。顔とツノの他、肩にもメッキパーツあり。
 他のキャラとは体格が違うのもあって頭以外の防具は互換性がありません。肩装甲はボールジョイント接続です。

 サイズ比較。呂布は体が大きいうえに頭が小さめなのでかなり大柄に見えます。

 武器は破塵戟のみ付属。方天画戟に似せてある他に、トールギスVのランチャーとシールドの要素も入っています。

 説明書には記載がありませんが、破塵戟は2つに分割して肩からぶら下げることも可能。
 あと漫画には未登場のうえにパッケージや説明書にも特に設定は記載されていない差し替え用のフェイスパーツが付属していて、上の写真はそれに差し替えた状態です。アゴが無いのでガンダムというよりトールギス(初代)っぽい。

(2)赤兎馬

 戦馬形態。赤兎馬というからには赤だろ普通、ということで延々と塗装しました。
 脚は基部がSDGFのキットと同じポリボール接続で、ヒザが軸可動。首は固定ですが顔は上下に動きます。

 鞍の左右から生えている板状の足場に乗せる構造なのでどのキットでも騎乗可能。ということで演義で乗っていた関さんを。

 パッケージ写真にあった棹立ちができないかと試してみましたが、とりあえず戦馬形態用のジョイントで呂布を固定したうえで戟の下端を接地させて三点支持にすると一応自立します。というか呂布を馬に固定しないとどうしようもないっぽい。

 赤兎バイクこと戦輪形態。変形に差し替えは不要です。車輪は回転可能。

 呂布の場合は腰のリアスカートを外して背中に付け直し、露出した腰後面のジョイントをシートのジョイントに接続して固定します。他のキャラも一応乗れますがジョイントは使えないし、リアスカートが長い関羽や司馬ビーは姿勢に無理があります。
 馬形態とのフォルムの両立はいい感じですが、バイクなのにハンドルが無いのは違和感があるような。

 ちなみに神姫素体と組み合わせるにはちょっと小さいうえに股関節の可動範囲の都合で脚が車体前半に引っかかります。ミクロ素体くらいだと丁度いいかも。

(3)天玉鎧
 全体がいくつかのブロックに分かれていて組み替えで変形しますが、ジョイントの一部にポリパーツを入れてあったりしてスムーズに変形できます。

 蒼龍。どの形態でも玉璽を付けることは一応可能ですが、設定上はこの形態にのみ装着します。
 劉備は上に乗るだけ。

 弩虎。デンドロビウムには似ている反面、虎と言うにはかなり無理があるような。
 孫権はバックパックと腰側面装甲を外した状態で、背中を固定して宙吊りになります。

 炎鳳。他の形態では畳んでいる羽根を開くので幅があります。さらに合体時は曹操のマントが付くのでものすごいボリューム。
 曹操はエリを外して代わりにメッキパーツを接続。弩虎と違って曹操の足は接地します。

 真武。この形態のみ余剰パーツが発生します(炎鳳の頭になるメッキパーツ)。
 呂布も乗るだけですが、蒼龍より平面が広いのでポージングには余裕があります。

  ある程度ジョイントに余裕があるので、この4種類以外の組み換えも可能です。例えば蒼龍形態をベースに炎鳳の羽根を開くとか。その気になればキット複数個分のパーツを組み合わせることもできそう。

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