BB戦士三国伝外伝 武勇激闘録 その1

 三国伝本編で触れられなかった武将のエピソードを語る外伝、または本編で手の回らない武将を流用キットで商品化する水増し企画、あるいは項羽が口笛を吹く話。
 基本的に既存の武者BBを流用したキットで構成され、そのため項羽ターンX以外は全員ガンダム型かつ「演者」が設定されていません。

 キットのパッケージデザインは三国伝本編と共通ですが、箱絵は別の人。また、BB戦士全体の統一ナンバーの他に、本編とは別の外伝のみの通し番号が振られています(劉封ガンダムが01)。
 説明書は漫画が半分の2ページ(作者は本編と同じ)で、残り2ページ分のカラー面をその武将や関連武将の解説に当てています。そのため設定的な情報量は本編キットより多め。

 

■No.337 劉封ガンダム (2009.08.23.)
 読みは「りゅうほう」です。
 劉封は、後に2代目の蜀皇帝となる劉禅が生まれる前に劉備に迎えられた養子で、元の名は寇封。赤壁より後に劉備軍の武将として武功を挙げていますが、関羽が討たれた際に援軍要請を断っていたことで劉備の不興を買い、孔明の進言により処断されています。
 演義でも経緯に多少の差異はありますが、大筋で似たような扱い。
 劉備を持ち上げるにはあまり都合がよくない存在で、そのうえ活動期間が短く事跡も多くないこともあって、劉備の養子という立場にしてはあまり大きく扱われない傾向です。

 三国伝では寇封として単身で曹操軍に抵抗、後に劉備の養子になり、関平・張苞と小龍隊を結成しそのリーダーになったとされていますが、説明書漫画では寇封だった頃の話が語られています。

 キットは超機動編の輝龍頑駄無の黄色ランナーを青に変えて流用、白+メッキランナーを新規パーツと差し替えた構成です。メッキ無しでガラス玉も廃止され成形色が2色だけなので、5〜600円級BB戦士の中ではかなりボリューム感に欠ける印象。ただ、眼のシールは4枚もあります。
 大きさや可動範囲については輝龍頑駄無と同様で、武器の合体や鎧の台座形態への組み替えギミックもそのまま残っていますが、パーツの削除・変更に伴いスーパーモード・超龍の構えへの変形ギミックは消滅しています。

 新規ランナー。軽装の頭部は丸ごと新造ですが、本編のキットの大半にある名前から取った漢字を図案化した模様はありません。

 なお、流用ランナーもタッチゲート仕様になっています。

 で、劉封ガンダムのキットそのものについての記述は以上で終了で、以下の記事ではキットのパーツを半分くらい流用して劉備ガンダムとミキシングしております
 コンセプトとしては「三国伝標準体型に」「パーツの新造は極力避けて細かい形状の相違は見なかったことにする」「スーパーモードへの変形ギミックの復旧」といった感じでお送りします。

 まず軽装。・・・見てのとおり、ホンタイさんそのままです。あと配色はRX-78系で青がメインということで狂四郎仕様の青いフルアーマーガンダムを元ネタにして、あとマスクまで青いと馬超と被るからそこは白のままで、という感じで塗ったら軽装の顔がドラえもんに似ているような気がしてきましたがたぶん気のせいです。たぶん。

 続いて装備品の着脱のための加工について。まずバックパックは接着してしまいました。背中の軸かバックパックのどちらかを少し削って干渉を無くせば平面同士で接着できます。

 兜は左右幅を少し増やせばそのまま被れますが、顔を覆う部分のパーツがどうにも小さいし大型化加工は手間がかかりそうなので、劉備の顔装甲をそのまま流用&しっぽは頭に直付けにしました。いきなりものすごい妥協。
 そういうわけで頭にしっぽ状のパーツを取り付けるための穴を追加。顔装甲に穴を開けて劉封の前立てを取り付けています。
 しっぽをつけると後頭部が重くなってアゴが上を向いてしまうので、首の後ろにスペーサーを入れるなりバックパックを後頭部に当たる位置にするなりして首が上を向かないように加工した方が無難です。
 あと、しっぽに元から入っている可動箇所はかなりゆるいので、瞬着等で調節しておきました。

 肩ブロックの前後に伸びた軸を削って少し短くすれば、肩装甲はそのまま取り付け可能です。完全に固定はできませんが、そこそこ安定します。
 ところで劉備のキットは肩のボールジョイント基部が改修されていて、肩が胸に密着しないようにして可動範囲が拡大されていますが(上の写真の左が初版劉備)、改修前のキットを使う場合は腕を胴のポリから少し引き出さないと肩装甲が入りません。改修後キットなら問題なし。
 あと
劉封と三国伝本編のキットは武器のグリップの太さが違いますが、組み換えギミックを残したまま軸径を太く加工するのは大変そうなので手の穴を小さくして対処しています。劉備の手を加工することも可能っぽいですが、手間の省略と精度の向上のために以前組んだストフリの手首を奪って流用しました。元のボールジョイントを削って少し細くすれば三国伝のポリボールを取り付け可能です。

 スーパーモードへの変形のために、胸の龍頭に肩装甲側面のスリットと接続するためのジョイントを追加(ランナータグをてきとうな大きさに切り出して接着)、左肩上面にしっぽを取り付けるための穴を開けています。
 肩鎧の腕への取り付けは、輝龍の手首への接続用ジョイントが劉備の腕の汎用ジョイントにそのまま入るので、瞬着や削り込みで多少の調節は必要ですがほぼ無加工でいけます。
 龍頭は本来の胸への取り付け用の軸をてきとうに削ったり瞬着で太らせたりして調整すれば、三国伝の胸鎧用ジョイントにそのまま取り付け可能。

 で、以上の加工を済ませて組み立てたフル装備。腰装甲は劉備そのままです。というか下半身は丸ごと劉備のパーツに色塗っただけという。
 赤と黒を増やしたのは逆効果だったような気もしますが、まあ自己主張ということで。
 前立てはちょっと小さい気もしますが、肩鎧やしっぽはそのまま移植してもボリューム充分です。

 義父と比較。

 武器は劉封付属の双龍偃月刀と激旋風棍をそのまま流用。本来の劉封の体に対してかなり長いので、やっぱりボリュームの不足は特にありません。

 武器が合体した双龍疾風長刀。長いよ。

 スーパーモード・超龍の構え(のようなもの)。

 そういうわけで個人的には初のホンタイさん流用工作でした。各部に妥協が山盛りですが、作業自体は割と楽しかったし大した手間でもなかったのでたまにはいいかな、と。

 

■No.338 周泰ガンダム (2009.08.29.)
 周泰は孫権の部将で、戦場で孫権を守って12の傷を負ったとされています。その傷に関連した話以外にはあまり事跡が無く、演義でもそれほど目立っていません。

 三国伝でも孫権の部将。やっぱり12の傷を負っていて、その経緯が説明書漫画で語られていますが、うん、えーと、いきなり斬りつけるのはよくないと思った。

 キットは武者○伝Vの神槍丸の流用。ランナー1枚が新規パーツと交換されています。流用ランナーが多色成形なので、同じ値段の劉封よりカラフル。ただし追加パーツの量は劉封より若干少ないです。
 新規パーツは武器や装飾的な部分に集中していて、基本的な構成はほぼそのままです。
 あと全身の傷を再現するためのシールが付属します。

 で、今回はとりあえず改造無しで。

 軽装。色以外は神槍丸そのままです。パッケージの見本写真だと鎧の足パーツも装着していますが、組立説明の手順だとこっちが正解のはず。
 肘にポリパーツが入っているのと、脚ではなく肩にボールジョイントを使っているのが特徴。腕はよく動きます。

 フル装備。肩装甲に付く装飾と兜の前立てが変更されています。
 青くて槍を持っていて肩に大きい曲面的な盾が付いているガンダムタイプっていうとアビスガンダムがちょうどそんな感じじゃない、ということで配色は少しそれを意識してみました。なお、成形色の紺色はティターンズカラーと同じ色です。

 孫権と比較。並べると周泰が着膨れした子供みたいに見えますが。

 武器は1対の周刃槍が付属。刃のみ新規です。柄と刃が2個ずつと、これらをつなぐジョイントパーツ3個が付属し、ある程度自由に組み替えが可能。
 槍の柄は塗装するなら事前に表面を削って若干細くしないと手で持てなくなりますが、持たせるのに丁度いい太さにすると今度はジョイントとの接続がゆるくなるので調整が割と手間です。
 肘の曲げ軸と手の武器穴が平行で、武器の構えポーズはやや制限されます。

 槍を連結し、肩に付いた刃(これも新規)を合体させて周刃十字剛槍に変化。劉封もそうですが体に対し武器が大きいです。
 あと、肩装甲の裏側に付いている円筒状のパーツは外してバックパックにも取り付け可能と説明書に記載されていますが(神槍丸と同様のギミック)、このパーツが何なのかは不明です。神槍丸では「推進爆竹」と設定されていました。ジョイントは他と径が共通なので槍に付けたりすることも可能。

 鎧を組み替えてサポートメカになるギミックはそのまま残っていますが、箱の見本写真では触れられていないうえに固有の名前も設定されていません。
 兜と槍の柄を台座にするギミックも健在。

 ところで周泰(神槍丸)の頭部は無改造で三国伝本編キットとの挿げ替えが可能です。胴体側の首の長さもほぼ同じなので頭が浮いたりもしません。
 また、肩装甲は三国伝本編キットの肩の共通ジョイントに取り付けが可能。ちょっとキツいので少し削らないと破損の恐れがありますが。
 さらに、周泰の胴体装甲は孫権の胸のスリットに無改造で取り付けられないこともないです。角度が割とシビアですが。あと孫権のクリアパーツは外す必要あり。

 ということで周泰の頭と鎧を孫権に移植すると無加工でこんな感じに。胴鎧の丈が足りていないような気もしますし、そのままだと若干アレですが。

※追記(2010.01.04.)
 他のキットは全部身長を伸ばしたので、周泰も手足を伸ばしてみました。

 腕はコトブキヤABSユニットを間に挟んで肘を前に曲げられるようにしています。脚は関節は追加せずに軸を延長し、そのままだと胴と足の間がスカスカなのでてきとうに装甲的なものを貼り付けて隙間を埋めています。外側の装甲はMG旧ザクの余剰パーツ(膝装甲)を転用。

 腕は関節が増えたので武器が構えやすくなったような気がちょっとしないこともないです。

 

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