HG1/144ザク�T（黒い三連星機）
　プレミアムバンダイ限定キット。パッケージは単色で、説明書はモノクロの専用のもので解説等は無し。
　基本的にはシャア機（S型ではない方）のカラーリングを変更して武装を追加したものですが、一般機ともシャア機とも配色パターンが相違しているためランナー構成は変化しています。余剰パーツはシャア機よりは少なめですが、スネの外装は後部下端のフレアも含めて丸ごと1組余ります。
　三連星が黒と紫のカラーリングを使うようになったのはMS-06S受領以降という設定が旧MSV当時からあって、つまり三連星の旧ザクは黒くなかったということになりますが、公式設定として扱っていいのか怪しいSDガシャポンのおまけシール（後期の、イラストではなく写真の方）を除くとこのオリジン版が「黒くない三連星用ザク�T」の初の公の媒体でのビジュアル化＆商品化になります。
　なお、MGやHG-UCでは三連星の06Rと同じカラーリングのザク�Tが商品化されていますが、こっちには「ザク�Uに乗り換えた後で教導機動大隊での演習に参加した際に使ったもの」という設定が用意されているので一応矛盾はしていません。

　関節まわり以外は全塗装しています。色味はだいたい成形色に寄せていますが、ブルーグレーはCGを参考にちょっと紫に振っています。

　そういうわけで形状はシャア機と同じ（一般機とは相違するバックパックやスネのフレアの形状についても同様）ですが、胸板が黒くて足先は黒くなくてスネは太股と同じ色、という独自の配色パターンになっています。

　武装はシャア機と同じドラムマガジン型マシンガン、ヒートホーク、手持ち式シールドの他、MS用バズーカA1型が追加されています。
　手は従来のザク系共通の左右の穴開き拳と右の銃器用、左の平手。

　バズーカA1型は他のオリジン版ザク系キットに付属しているもの（A2型）からマガジンを省いたようなデザインで（マガジンの有無以外はサイズや形状、ディテールもほぼ同一）、オリジン版ザクバズーカのバリエーションでは最も従来のザクバズーカに近いデザインになっています。砲身本体部が新規パーツで、スコープやグリップ、前後端部はA2型の流用で、ランナー構成の都合でA2型の砲身が余りますがマガジンはスイッチで削除されています。
　ちなみにマガジンが無い元祖ザクバズーカは装弾数に諸説ありますが（作中描写的にはリロード無しで2回以上撃てるっぽい）、オリジンのアニメ版では装弾数1で尾部ノズル基部のあたりがヒンジで開く元込め式、予備弾は円筒状のケースで携行、といった設定が画稿付きで用意されています（キャラクター＆メカニカルワークス等を参照）。ただ、作中で描写が無かったためかキットにそのケースは付属しません。
　作中ではイメージ映像のみの出演とはいえヴァッフの時点で後部に弾倉が固定されたMS用バズーカが存在していましたが、砲身の長さや後部ノズル、フォアグリップの有無等デザインの相違が多いので、あのタイプに運用上の問題があったので改良してA2型に至る過渡期のものがA1型、とかそういう話なのかしら。