MG1/100ガンダムVer.1.5
 2000年6月発売ですが、今回のは2020年7月再販分を組んだもの。・・・書いていて丸20年前という事実に真顔になりましたが。ちなみに箱、説明書ともにバンダイロゴはまだ赤です。
 RX-78としてはシリーズ第1弾の1.0が1995年、Ver.Kaが2002年、中身も丸ごと新造のパーフェクトガンダムが2003年、脚部フレームのみ1.5と共通のOYW0079が2005年、ガンダム2.0が2008年という流れになっています。
 デザイン、構造の両面でPG1/60ガンダム(1998年11月発売。ちなみにPG第1弾はこの1年前に出たエヴァ初号機で、ガンダムは2番目になります)の要素をフィードバックしてガンダム1.0をアップグレードした、という感じのキット。ガンプラとしては同一ブランドで同一機体をリニューアルした最初の例で、当時としては画期的なキットでした。
 そういうわけでパーツをある程度1.0から流用していますが、頭部や脚部の白いパーツは全部削除されています。また、新規パーツの一部は1.0のランナーにスイッチで継ぎ足す形で追加されています。
 また、1.5からの派生としてはリカラーでキャスバル専用ガンダムが発売されていて(限定では他にもいくつか出ていますが、一般販売キットはこの1.5ベースのものとGジェネのシャア専用セットくらいしか無いです。ちなみに3.0ベースのものと違って腰のV字やシールドの十字もそのままですが、配色の都合でアンクルガードが新規ランナーになっています)、他に脚部フレームのみOYW0079に流用され、そこからさらに真武者頑駄無にも流用されています(ちなみにこの真武者はガンダム2.0の前月に発売だったので、当時はこのタイミングで古い方のフレームか・・・と思ったりもしました)。

 まずコアファイター。可変式のものと非変形のコアブロックが付属しますが、いずれも1.0と全く同じものです。
 コアファイターはキャノピーはクリア成形ですが、後のMGガンキャノンのものよりさらに機首が細かったのでパイロットは入っていません。尾翼と着陸脚は着脱式。

 非変形コアブロックはほぼグレー単色ですが、下端のみ赤成形。

 ※1.0からの流用パーツのうち、コクピットハッチ上面にあるスジ彫りは新規パーツとの整合性が気になったので埋めています。それ以外の部分はきりが無いのでそのままですが。
 肩幅は広めだけど手足は比較的細い1.0をベースに胴体と腕のアウトラインはそのままに脚だけかなり太くした結果として、なんか独特な体形です。
 全塗装しています。初代ガンダムの成形色はOYW0079や2.0あたりから青が明るめになっていますが、これはそれ以前に使われていた暗めの青(塗料で言うとクレオスのキャラクターブルーくらい)になっている他、PGを踏襲してグレーの成形色が暗め(ガンダムカラーでいうファントムグレー)になっています。
 で、塗装は青とグレーを明るめにして無難なカラーバランスに寄せてみました。あと足首の隙間から見えるシリンダーは成形済みフレームの一部ですが、引き出して銀で塗っています。
 頭部と脚部は完全に新造で、腕は肩装甲と肘関節のみ変更、胴体は正面の青い部分(ハッチ以外)とダクトのみ変更、腰はリアスカート以外の白い部分が新造されていて、残りは1.0からの流用。あと武装類は1.0に付属していたものは全部そのまま流用されています。
 センサー類以外はだいたい色分け済みですが、アンテナ基部の五角形が一体成型でシールが付属するというMGとしては割と珍しい処理になっています。
 関節まわりは1.0と同様に一部にアサフレックスや白いポリエチレン(PE、要するにポリパーツと同じ材質)が使われているのが最近のキットには無い特徴。
 脚部は後のRG等と同じ成形済みフレームを採用しています。なお、フレーム構造になっているのは脚部のみ。MGでも初期のキットにはフレームがありませんでしたが、1.5の前月に出た陸戦型ガンダムの時点で腕もフレーム構造になっていたので、MGでのフレーム構造自体はこの時点では既に画期的というほどでもなかったですが、これ以降の新規キットでもフレームは入っていたりいなかったりという時期がしばらく続いています。
 で、この脚部フレームの金型が古くなっているためか、バリが目立つのと一部のヒンジが若干斜めになっているようです。というか左のふくらはぎの外装が斜めになっていてぴったり閉じられません。
 あと実際には成形済みフレームの太股、膝関節、ふくらはぎ付近にパーツを被せてフレームが完成する構成ですが、膝関節部のパーツはビス止め式になっています(ビスの上に白い丸パーツが被さるので、露出しないしなおかつ組んだ後でも調節可能)。
 関節は首、股関節ボールジョイント1個だけで、足首はスネのフレーム下端が前後に曲がるようになっていますが左右方向はやっぱりボール1個分のみ、肩の付け根は引き出しも前後スイングも無くて回転のみ、腕はほぼ1.0の流用ということもあって肘は2重関節ですがあまり深くは曲げられず(肘にアサフレックスが露出していた1.0に対し、PEをプラ製の外装で覆う構造になったという外観面での改良はありますが)、腰もコアブロックの都合で横に少し回るだけです。全体としては1.0に対し足首がスネ側で前後に曲がるようになったのと膝が深く曲がるようになった以外はほぼそのままですが、1.0では膝関節がヘタりやすくて自重に負けがちだったのがかなり硬めになっています。

 頭部は上述のように新規パーツ。マスクの赤は色分け済みで正面側のセンサー類は無色クリア成形ですが、上述のアンテナ基部の他にバルカンや後頭部センサーも一体成型です。
 なお、1.0にはあった差し替え式のメンテナンスハッチ展開ギミックは無くなっています。
 あと胸のダクトのフィンには1.0には無かった可動ギミックが追加されています。

 コクピットハッチは2.0のようなスライド展開は再現されておらず、ブロックが丸ごと上に開く構造。中身は見えやすいです。なお、立ちポーズのパイロットも付属します。

 1.0に元々あった前腕部に加えて、PGを部分的に踏襲してさらに太股とふくらはぎの後部の外装が展開するギミックがあります(PGでは他にも頭や胸、腰の黄色い箱等あちこち展開可能でした)。ただ、成形済みフレームの金型の傷みのせいか元々の弾力のせいなのか、脚部のハッチは閉じても隙間ができてしまいますが。
 ガンダム1.0やザク1.0にも一部の装甲が展開して中身のメカが見えるギミックがありましたが、これ以降はフレームによる内部構造の再現自体はあっても、外装を展開して中身を直接見せるギミックはサザビーKaのようなごく一部の例外を除いて無くなっています。

 身長は他のRX-78系キットと同様ですが、歴代キットの中でも脚にボリュームがある一方で腕は細めです。個人的にはどっしりしたアレンジも好みだけど腕のバランスが悪い気がしますが、そこの修正に手を出すと最終的にOYW0079を組めばいいんじゃないかという結論になりそうな気もしますが。

 武装は1.0と全く同じライフル、シールド、サーベル、バズーカと、1.5で追加されたガンダムハンマー、ビームジャベリンが付属。ハンマーとジャベリンが両方付属するキットはこれが初ですが、PGでも別売りでキット化されてはいました(クリア成形の外装とのセット販売)。

 手は1.0と同じ可動タイプ、固定式の平手と拳、1.5で新造された銃器用の半固定タイプ(指は全く動きませんが、親指以外の4本の指と一体化した手の甲が武器の着脱のために付け根で開きます)が左右それぞれ付属。
 個人的には平手や拳は最近の親指以外を交換するタイプより丸ごと固定式のハンドパーツの方が造形が自然になるのではないかと思うものの、初期MGのものに関しては手指がアサフレックスなので最近の再販だとバリが目立つうえに材質の性質上整形もしづらいのが困るところですが。
 あとパーツ構成の都合で可動、半可動、固定でそれぞれ手の甲のディテールが統一されていません。

 ライフルは黄色が不透明で色分け済みで、センサーとフォアグリップが可動式。センサー基部は左右非対称で左にしか曲がりません。あと1.0でサイドスカートから吊るす際に使っていた折り畳み式のジョイントもありますが、1.5では本体側のジョイントが無くなってしまったため使えなくなっています。

 バズーカはこの時期にはまだグリップを前後に曲げるギミックは存在しなかったので、可動部は後部のフックのみ。成形色はグレー単色で、弾倉の後ろも塞がっていて弾丸は見えないなどシンプルな造形です。ただ、軽いという利点はあります。
 リアスカートは丸ごと1.0の流用なので、腰の後ろにバズーカを付けるギミックはそのまま残っています。
 シールドは腕には固定できなくてグリップを握るだけという構造。ただ、グリップ両端の板と手の甲の幅がほぼ同じで、実質的にはグリップパーツと手の甲との噛み合わせで固定するので、手指の保持力はほぼ無関係です。あとバックパックに丸軸で接続可能。
 表面は色分け済みで、覗き穴には無色のクリアパーツが入っています。

 サーベルの刃はその後の汎用ランナーのものとは違って、根元が膨らんでいなくて起伏の少ない造形です。また、1/100の標準より短め。

 ガンダムハンマーは後の2.0のものと同様に、チェーン部分は樹脂製の成形済みのものが付属。トゲは全部別パーツです。

 ビームジャベリンはグリップも一体化していてサーベルのものは使わない構成。ビーム部分は眼と同じランナーに入っているためピンクではなく無色クリアですが、材質は硬質PSではなくアサフレックス。

 

 

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