1/700熊本城
 フジミ名城シリーズのNo.1。くまモンVer.もありますが通常版の方です。
 本体の土台部分は石垣の周囲のかなり狭い範囲に盛り上がった地面がついた小ぶりなもので、これを丸ごと周囲を山に囲まれた大型の土台に固定するように指示されています。この山が実際の熊本城の周囲の地形を完全に無視しているうえに、この大きい方の土台に付けるための樹木のパーツもありますが(葉に使うスポンジも付属)、表示を考えるとかなりの大木です。
 そういうわけで城そのものはともかく情景模型としてはかなり雑なつくりです。同シリーズの犬山城もこんな感じですが、一方で姫路城は童友社のJOYJOYコレクションより周囲の構造が正確だとかいう話もあって、あまりシリーズ内で方針が統一されていないっぽいです。
 あと屋根のモールドが幅広だったり天守の窓や扉の一部がモールド無しの面にシールを貼る処理になっていたりとディテールが雑な面もありますが、その一方でJOYJOYだとおおむね粗い造型だった鯱がかなり繊細に作ってあったりと精密なところもあります。
 パーツにバリが大量にあるあたり金型は古いようですが、その割にはパーツの精度が高く、さらにシリーズ共通の傾向として接着面を広く取ってある設計なので、JOYJOYの金型が古いキットより大幅に組み立てやすいです。特に屋根の取り付けの安定感には格段の差があります。
 そういうわけで性質はかなり相違していますが一概にどちらがいいとも言い難いです。
 ちなみにこれと犬山城は土台と城が分離している関係で、鉄道模型のレイアウトに城を配置したい場合には便利だったりもするそうです。縮尺は合わないので遠景用に使うとかになりますが。

 で、山の土台と樹木はとりあえず抜きで組んでみました。
 全塗装しています。成形色は壁が白、屋根と石垣がグレー、山の土台と樹木が茶色の計3色。シールも付属するとはいえ、壁に白くない部分が多いのである程度は塗装しないとそれっぽくなりません。
 壁面の木組みが露出した部分は、シールで処理されている最上層の一部以外はモールドが入っています。四角い窓は凸モールド。
 石垣の彫りはシャープなので、全体に暗い色を塗ってから明るいウォームグレーをドライブラシして済ませました。

 シール部分については貼らないとただの平面になって間延びするしディテールを作り込むのも大変なので、とりあえずシールを貼っておきました。シールは透明地で表面に光沢があり、カッティングは入っていないので自分で切り出して使う必要があります。印刷範囲に沿って切り出せば貼り付け位置の段差にほぼ一致するし、形状も単純な長方形なので切り出し自体は簡単ですが。というか余白を取ってカッティング済みのシールからさらに余白を切り取る作業よりは、最初から全部自分で切る方が簡単な気もします。
 表面の光沢は貼り付け後にタミヤのつや消しニス(水溶性)を塗って対処しました。

 ついでに上述の台座と樹木のパーツの写真も。

 台座に乗せるとこんな感じ。城と山が干渉して斜めにしないと収まりません。

 

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